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プロ野球を題材にした小説

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第1話/ドラフト拒否

【平成のリアル球道くん、ドラフト拒否!!】

最高球速180㎞を超える怪物、尾崎球道がドラフト指名を拒否するとの事が、スポーツ紙の一面を飾る。

そして今日、その尾崎が記者会見を開く事になった。

高校生一人に、これだけ大騒ぎになるのは本当に異例である。

それと言うのも先ず、尾崎は高校生でありながら、すでにと言うか、驚くべき事に、180㎞を超える速度の球を投げるからだ。

公式戦、非公式戦も含めて記録が残されている限り、全ての打者を三球三振に討ち取っている。

日本のプロ野球の関係者だけでなく、アメリカのメジャーリーグの関係者からの関心も高かった。

それも当然であろう。

球速180㎞超えなんて、前代未聞だった。

世界最高峰と言われ、野球の本場で伝統と歴史のあるメジャーリーグでさえ、170㎞に届いた事例はない。

条件によって多少、違いは出るので、細かくは示さないが、今までの最高球速は160㎞代だったのである。

日本のプロ野球であろうと、アメリカのメジャーリーグであろうと、間違いなく、野球の歴史とファンの記憶に名を残す大投手になるであろう。

更に、打者としても公式戦の打率が八割を超えていた。

本塁打の数も高校通算で100本を超えている。

公式戦で全打席を敬遠された試合を除けば、一試合に必ず一本以上の本塁打を打ってもいた。

もっと言うと、公式戦以外では敬遠される事もないので、もっと打っていたぐらいである。

野球という競技の性質上、注目度は投手程では無かったが、打者としての成績も、これまでの常識を遥かに超えたものであった。

また、投手の球速は絶対的な評価が出来るが、打者の成績は皆、相対的な評価になってしまう。

それでも、過去の歴史を無視するかの様に、飛び抜けた成績ではあったのである。

その尾崎がプロ野球からのドラフト指名を拒否したのだ。

これだけの大騒ぎになるのも当然ではあった。

日本のプロ野球史上、最高の宝にもなれる尾崎を逃してなるものか。

プロ野球の関係者は皆、その様に考えていた。

また、尾崎がドラフトを拒否する理由としては、直接にアメリカのメジャーリーグに挑戦するものと思い込んでいる。

そして日本野球界の影響下から外れれば、当然に次のメジャーリーグのドラフトにも指名はされるだろう。

『そうはしてなるものか』

プロ野球の関係者の間で、この言葉が合言葉の様になっていく。

これまで一枚岩とは言えなかった、日本のプロ野球界が思わぬ事態で一つに纏まりつつあった。

それも、これまでの日本のプロ野球界では考えられない事である。

そして、これから尾崎球道の単独記者会見が始まろうとしていた。

因みに、尾崎球道の球道という名前は、父親が『球道くん』という漫画のファンで、その主人公である中西球道に肖って、自分の息子に付けたのである。
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